不適切太陽光発電所撲滅ツアー in 宮城


2019年4月18日

1.企画の趣旨と概要
一般社団法人太陽光発電事業者連盟(ASPEn)では、太陽光発電事業の適正化を図る活 動の一環として、「不適切太陽光発電所撲滅ツアー」を宮城県で開催しました。今回、宮城 県で実施することとなった背景として、宮城県庁が県内の太陽光発電の活性化及び長期安 定的な発電環境の整備を図るために「宮城県太陽光発電設備保守点検事業者データベース 登録制度」などをスタートさせており、これに合わせて発電事業者の立場からも適切な太 陽光発電事業の実施を進めるためです 。本ツアーでは、実際に不適切太陽光発電所の現地 視察を行った上で、現在の太陽光発電事業を取り巻く環境や今後の見通しについてのセミ ナーを開催し、会員相互の情報共有を図ると共に今後の活動方針などを確認しました。

2.企画の詳細
開催日 :2019 年 4 月 13 日(土) 視察場所 :宮城県亘理郡亘理町
参加者数 :現地視察 20 名/セミナー24 名

3.現地視察
本ツアーでは、まず宮城県亘理郡亘理町を訪れ、不適切事例と見られる太陽光発電所が 集中しているという地区を視察しました。現地は住宅地の中に低圧規模の太陽光発電所が 林立しており、資源エネルギー庁が公表している事業計画認定情報や、発電所に設置され ている法定標識の情報を参照すると、発電事業者も施工業者もバラバラであり、使用され ているモジュールの種別や架台・基礎の施工、塀柵の作りも多種多様です。
最初に視察した設備(図 1)では、おそらく住宅が建っていたと思われる崩れたブロック 塀の残る敷地に 2 アレイが設置されていました。設備の周囲は虎ロープで申し訳程度に囲 われており、法定標識は設置されていません。当該発電所のオーナーは、早急に塀柵の設 置を行うと共に、法定標識の掲示を行うことが求められます。

特に発電所が集中している地区に入ると、非常に簡易なフェンスで区切られた発電所が 複数見受けられました。
これが直ちに事業計画策定ガイドライン等に違反している かどうかは判断できませんが、法定標識の掲出が確認されなかったため、当該発電所のオ ーナーには早急な法定標識の設置が求められます。

更に足を踏み入れていくと、モジュールをただ地面に置いてあるだけのような発電所が 複数見受けられました。地面が不整地なのか全体が波打つような状態になっているほか、 一部では金具が外れているのかモジュールが地面に完全に設置しているように見受けられ る場所もありました。

今回のツアーでは、合計で 12 ヶ所の発電所を視察して回りましたが、半数近くの設備で 柵塀や法定標識の設置に問題が見られました。現地の住所や座標などを控え、後日資源エ ネルギー庁が公開している事業計画認定情報から、事業者を特定する予定です。

4.セミナー
不適切発電所の現地視察を行った後、仙台市内の会議室においてセミナーを開催しまし た。(図 4)まずは代表理事の谷口から、3 月の宮城県庁への訪問を皮切りに、全国の都道 府県庁の再生可能エネルギー担当セクションにアポイントを取り、不適切太陽光発電所へ の取り組みについて直接の訪問や電話によるヒアリングを行った反応について報告があり ました。直接の訪問が実現したのは現時点で 10 府県となり、独自に太陽光発電事業の適正 化に向けた動きを取っている地域がある一方で、FIT による再生可能エネルギー普及は政府 施策であるとして、県としては手を打つ考えがないという地域もありました。また、今年 3 月に資源エネルギー庁から初の事業計画認定取消しが発表された沖縄県も訪問し、取消し に至った背景やその手続きフローも報告されました。

続いて、専務理事の馬上から系統連系問題の現状に関する調査結果や、営農型太陽光発 電を取り巻く環境について報告がありました。極端な長期化が起きている地域がある一方 で、未稼働案件の接続契約解除による空容量確保も進められており、全体としては厳しい 状況が続いているものの、短期での系統連系が可能となっている地域も増えているという ことです。
最後に行われた質疑応答では、参加者から九州における出力抑制の頻発への懸念や、太 陽光発電所のリセールなどについて活発な質疑がありました。

5.今後の開催予定
ASPEn では、今回の東北ブロックでの不適切太陽光発電所撲滅ツアーの開催を切っ掛け として、太陽光発電事業の適正化に向けた活動を本格化させていきます。次回は、広島県 にて 5 月 11 日(土)に同様のツアーを開催予定です。

6.備考
本ツアーの現地視察において不適切事例であることが確認された太陽光発電所について は、資源エネルギー庁並びに宮城県庁に対して情報提供を行います。