【コラム】制度解説 特定営農型太陽光発電

  • 2021/5/29

【制度の概要】
 FIT制度における地域活用要件の導入に伴い、低圧規模の小規模事業用太陽光発電に対する自家消費要件の例外となる営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の呼称である。

【制度の背景】
 事業用太陽光発電のFIT対象事業を縮小していく中で、10kW以上50kW未満の小規模事業用太陽光発電については、経済産業省の再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会において「立地制約が小さく、需要地近接での設置が容易である電源であり、自家消費型での活用を広げていくことが可能」という整理がなされた。その結果、「(小規模事業用太陽光発電が)地域において信頼を獲得し、長期安定的に事業運営を進めるため」という理由により、一定以上の自家消費を前提とする事業にのみFIT制度の支援を行うという方針が決定された。
 一方で、営農型太陽光発電については「営農と発電の両立を通じて、エネルギー分野と農林水産分野での連携の効果も期待されるものである中で、一部の農地には近隣に電力需要が存在しない可能性もあることに鑑み、農林水産行政の分野における厳格な要件確認を条件に、自家消費を行わない案件であっても、災害時の活用が可能であれば、地域活用要件を満たすものとして認める」という整理が行われたことで、3年以上の期間一時転用許可を得ることができるものについて「特定営農型太陽光発電」という区分を設け、10kW以上50kW未満の設備であっても全量FITが適用されることになった。

【制度の対象】
 10kW以上50kW未満の営農型太陽光発電のうち、3年以上の期間で一時転用許可が取得できるもの。

【導入時期】
 2020年4月~

【事業計画認定における注意点】
 FIT制度を利用する営農型太陽光発電の一時転用許可は、接続契約を結び事業計画認定を経て全ての事業実施に向けた準備が整った段階で受けることができる。すなわち、事業計画認定の申請段階では一時転用許可は取得できず、3年以上の期間での許可が得られるかどうかは不確かである。そのため、事業計画認定の申請時には一時転用許可申請の有無を申告することになり、事業計画認定日から3年以内に一時転用許可を取得することが必要になる。この際、期限内に一時転用許可を取得できなかった場合には認定が無効になることに留意しなければならない。

最終更新:2021/05/29
※本コラムの内容は最終更新時点の情報に基づいています。

ページ上部へ戻る