【コラム】制度解説 廃棄費用積立金

  • 2021/1/7

【制度の概要】
 FIT制度を利用している太陽光発電事業に対して、最終的な廃棄を行うための費用をFITの賦課金から天引きして強制的に積み立てさせる制度。FIP適用事業にも適用される予定。

【制度の背景】
 FIT制度の成功によって太陽光発電が爆発的に普及する中、FIT期間だけ太陽光発電事業を行い、FITによる支援終了後は設備を撤去するとした事業が多く見られるようになり、2032年度以降に太陽光発電所が大量に廃止されることが懸念された。空き家問題などと同様に、FITによる支援が終了した発電所が放置されることへの対策として、事前に廃棄に必要な費用を強制積み立てさせることとなった。

【制度の対象】
 FIT及びFIP制度を利用する10kW以上の全ての太陽光発電設備で、運転開始から10年以上を経過したもの。

【導入時期】
 最も早い発電設備で、2022年7月1日から順次導入される。

【積み立て方法】
 電力広域的運営推進機関内に積立金として管理される。

【徴収金額】
 2020年11月時点では、下記の通り案が示されている。(第63回調達価格等算定委員会資料より)

 基準額は調達価格によって異なっている点に注意が必要であり、上の表の赤枠で囲われているkWhあたりの単価が毎月の売電収入から天引きされることになる。なお、2020年度以降はFIT/FIP問わず想定額が1万円/kWで固定される。

【取り戻し方法】
 廃棄処理が確実に見込まれる資料の提出によって、取り戻し。事業終了や縮小時のほか、太陽光パネルを交換して事業継続する際にも一定の場合(事業計画認定上の太陽光パネル出力の15%以上かつ50kW以上)に取り戻しを認める。

【事業承継時の扱い】
 発電事業者が変更になる場合、積立金はそのまま承継される。発電事業者が倒産した場合も債権者が任意に回収することはできない。

最終更新:2021/01/08
※本コラムの内容は最終更新時点の情報に基づいています。

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